タイムトラベルの古典『夏への扉』

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
時間移動を表現したSFの古典、らしいが・・・。

昨夏に読んだ『星を継ぐもの』の感動が忘れられずに、時々SFを手に取っている。

仕事、恋人、全てを失い、この時代への未練を無くした主人公。
裏切りから狂った人生を修正すべく、冷凍睡眠を利用し未来へ。

30年後の世界に突如として身を置いた場合の浦島効果がどのように主人公に訪れるかを描いた描写は精緻でリアル。
自分を裏切った恋人の三十年後の変わりようには、主人公同様に怒りを忘れて哀れを感じる。

『星を継ぐもの』ほどScientificさはないものの気軽にSFファンタジーを楽しみたいならオススメ。