2007-01-01から1年間の記事一覧

二十世紀の世界を振り回した巨人『賃労働と資本』

きわめて挑発的。 この挑発にのったのが二十世紀だったんだな・・・身近な問題から出発して、価値決定の法則を明らかに・・・ というのが表向きのキャッチフレーズ、が読めば読むほど資本主義を糾弾しているようにしか聞こえてこないのは、僕自身が「資本家…

優しい保護者の様な顔をした支配者=国家の存在に薄ら寒い想いを抱く。『国家の罠』

史実に勝る物語はない。 国家の罠、「時代のけじめ」として行われた国策調査で職を追われた元外交官の実話。 世の中にある全ての犯罪者を逐一逮捕、起訴していくわけにはいかない。 だからといって捕まえやすそうな事件だけを処理するわけにもいかない。 ど…

米原女史最後にして最高の遺産『打ちのめされるようなすごい本』

本好きのバイブル。 書物という知の大宇宙への唯一無二のガイドブック。 本を読んでみたいんだけど、何から読んだらいいのか・・・ などと嘆く人はとりあえずこれを読むべし。 通訳として世界を飛び回る多忙の傍らで毎日平均七冊の読書、それを基に重ねられ…

最高のエッセイ『魔女の1ダース』

珠玉! うっかり電車の中で読んでて笑いをこらえるのに涙が出た。 エッセイで笑い泣きさせられたのはハジメテ。おすすめの本があると何冊か買って配ったりするが、こいつはすでに三冊も配った。 何がそんなに面白いって喩えとテンポ、そしてスパイスの効いた…

SFというよりもScientific Mystery、即ちSM

究極のメニュー、至高のメニュー いずれにも洩れない最高のSF 中学校で「理科2分野」を学ぶは何の為か? 高校に受かるため? 一般教養? 断じて違う! この本を読むためだったんだと確信する。SFが好きとか嫌いとか関係ない! 理系とか文系とか関係ない!!…